後日,太郎の家に探偵Tは来た.

「こんにちは,待っていたよ.」

太郎は探偵Tを出迎えた.

2人は二宮金次郎風銅像の前のベンチに腰をかけ,会話を始める.


「私は山田いう者です.探偵をしております.」

「山田?探偵Tと記憶していたが,勘違いか.」

「Tは探偵のTです.」

「ち,馬鹿げてやがるぜ.探偵Yがおれに何のようだ?」

「あなたは,岩城という男をご存知ですか?」

「知らないな.」

「そうですか.10年ほど前まで自動販売機の詰め替え業務を行なっていた男なのですが.」

「…(きまりだ,こいつ気づいてやがった).」

「彼は10年前にこのあたりの自動販売機を最後にいなくなってしまったのです.」

「…(なぜ俺をうたがっているんだ).」

「率直に言わせていただきます.」

「まさか俺が殺したとでも?」

「はい.よくわかりましたね.私は”いなくなった”としか言ってませんが….」