「びっくりした?
オレ、頑張ったでしょ??
これを用意するのに、丸一日かかったぁ~」

得意顔で……ドアの外から話しかける。

「ここは、唯ちゃんの部屋だから
オレは、このドアよりも中に許可なく入らないからね。
安心して、好きに使って。
ほら今だって………ここでご主人様の『ヨシ』を、良い子で待ってるでしょ?」

そう、からかって笑うと

「もう~」と泣きながら、自分から抱きついてきた。

オレは、この小さな女の子を全身全霊で守って………

一人にしないと心から誓う。

「ねぇ~唯ちゃん。
明日の夕方には、帰らないといけないよね?」

明日からのスケジュールを決めようと話すと

「う~ん。……………そうだ………ねぇ~。」と………

なんとも、歯切れの悪い返事。

あれ?

もしかして、帰りたくなくなっちゃった??

嬉しい反応に、嬉々としてると

あからさまに元気のない表情。

「オレも帰したくないけど………しょうがないよね。
ご両親の許可ももらって、お部屋もあるんだから…
いつでもおいで。」

そう言って頭を撫でると、少し安心したのか笑顔が戻った。

せっかく出来た居場所から、また出ないといけないのは……

やっぱり不安なんだろうなぁ~。

「落ち着いたら、二人でここに必要なものも買いに行こう。
一緒に寝るくまちゃんやうさぎちゃんが欲しいんでしょう?」とからかうと

「えっ!買っていいの??」と………

あれれ、マジだったの??

まだまだお子ちゃまな彼女に

いつかは、ぬいぐるみじゃなくて……

『オレの隣で眠ってね。』と心の中で呟いてみる。