マンションのドアまで来ると、急に立ち止まる。

先日までのような、遊びに来るのとは違い

緊張しているみたいだ。

何も不安に思うことはないよ………

これからは、ここも唯ちゃんの居場所だから。

自分の家だと自覚してもらうため、あえてイチゴのカギを使った。

カチャ。

カギを回すと一呼吸おいて………

「ただいま。」

うん、よくできました!

二人、目を合わせてニッコリ笑ってから……奥へと進む。

キッチンを見た唯ちゃんは、唖然。

そりゃあそうだろう。

昨日買った、大量の荷物が机の上や足元に散乱してるんだから……。

いやまぁ~、それには色々と事情があるんだけど………

事情を知らない唯ちゃんは、目がテン。

一応

「唯ちゃんが使うから、使い勝手が良い方がいいかな?って思って」と

言い訳とも取れる会話をしておいた。

「今日は疲れたでしょ?荷物を置いて、シャワーを浴びておいで。」と

部屋に行くよう促すと

素直に自分の部屋となる、客室のドアを開けた。

………………………………………………。

固まること、数十秒。

やった!!

キッチンの片付けが出来なかった、本当の理由がこれ!!

客室を改め

ピンクと白を基調とした、唯ちゃんの居場所。