溶けろよ、心

「橘、何味か決めた?」

「いちご、かな、やっぱ」

「だよなあ、王道!俺はメロンにするけど」


町田くんは列に並んでいる最中もずっと手を離さなかった。恥ずかしいけど、楽しそうな町田くんを見ていると、まあいいかなって思えてくるから不思議。

「いちごとメロンひとつずつ!」

順番が来て、町田くんが注文する。財布を取り出すときに手が離れて寂しいなんて、嘘に決まってる。