溶けろよ、心

「こうだろ」

町田くんに教えてもらったとおりに構えて、打ってみる……けど、手がプルプル震えちゃって、なんにも取れなかった。

「下手だなあ。俺がとってやろう!」

町田くんは鉄砲を構えると、片方の目を閉じて、獲物を見据える。

うおお、様になってる……。

パンッて小気味よい音がして、何かに当たったのがわかった。

「町田くんすごーい…」

私は町田くんに駆け寄った。

「はいおめでと〜」

おじちゃんが景品を町田くんに手渡す。