溶けろよ、心

「橘、何頼む?」

町田くんは気にしてないみたいだ。顔を近づけてきたり、頭ポンってしたり、基本的に距離が近い人なのかもしれないな。

「じゃあ私は、ボロネーゼで」

「オッケー!俺はカルボ!」

「ナーラまで言ってよ。なんかちょっと気持ち悪いよ」

「気持ち悪いって言うなよ」

町田くんは笑って、私の頭を軽く叩いた。

少しずつ、町田くんに対して素が出せるようになってきたのが自分でも分かって嬉しかった。