溶けろよ、心


「はは!橘顔真っ赤」

「だって…走ったから……」

向かい合って、頼んだドリンクを飲みながら町田くんは笑った。

「かわいい」

ほら、またそういうこと言う!タラシだタラシ!
私は心の中で毒づいた。

「映画って何時から?」

「13時!結構余裕あるから、飯食おうか」

そう言って町田くんはメニューに目を凝らした。私もそれをのぞき込む。

町田くんとの距離が予想以上に近くなって、ばっと離れた。

不自然だったかもしれない。