溶けろよ、心





放課後。

いつもの教室。


ナツキ、そして梨菜のアドバイスで、町田くんを一緒に帰ろうと誘うことになった。


「頑張って!真由!」


梨菜がガッツポーズしながら私を励ます。


「ほら、ナツキが何か言わないと!」


るいがナツキの背中を押す。
ナツキは「うわっ」と転びそうになったけれど、すぐに立ち直った。

そして私の手をぎゅっと両手で包んでくれる。

ナツキの手は私のより少しだけ大きくて、だから安心感がある。


「真由!私が男なら、真由と付き合う!」


ナツキがあまりにも真剣な眼差しで言うから、私は吹き出してしまった。


私につられて梨菜も、るいも。

最後にナツキに伝染して、私たちは大声で笑い合った。