溶けろよ、心






今日は休日。

なのに制服に着替えたわけは、学校で、ほとんど人のいない校舎で勉強するためだ。



『今日は?』



町田くんからそう返信がきたのはついさっきのこと。

この後朝から学校で2人、勉強をすることになった。




そうと決まれば早く支度をしなくてはいけない。

私は急いで食卓についた。



「あら、おはよう。制服なんて着てどうしたの」


そこにいたのはお母さんひとりだった。

まだ家族は起きてこないと思っていたらしく、のんびりとコーヒーを飲んでいた。



「おはよ。学校に勉強しに行くから」



私がそう言うと、お母さんは嬉しそうな顔をして朝ごはんを用意してくれた。