溶けろよ、心



「昼間」



「へ?」



校門を通り過ぎようとするとき、町田くんがやっと口を開いた。


「俺、態度変だったよな。ごめん」


確かに昼間、町田くんは目を合わせてくれなかった。



「ううん、大丈夫だけど……なにかあったの?」



「うーん……今度言う」



「そっか」


今話してくれないのは、少し寂しかった。



「閉会式、よかったよ」



町田くんがぼそっと言った。



今日、たくさんの人に言われた言葉。


今まで話したことのなかったクラスメートにもそう言ってもらえた。

嬉しかった。



だけどね。

町田くんのが1番嬉しい。



胸がいっぱいで溢れそうなくらい。

頬が勝手に緩む。




「町田くんもすごかった。

リレー、ちゃんと見てたよ」