溶けろよ、心







「おいピンクこけたぞ!」


どこからか男子の声が聞こえた。


うそ、町田くんのチーム……。

走っているピンクのバトンの第三走者は、膝から血が流れている。


「うわ、痛そ〜」


周りではそんな声が飛び交っている。

1位と2位から差をつけられ、苦しそうな表情で私たちの前を通過した。



スタートラインで手を挙げて待つ町田くんは、
顔をくしゃくしゃにしながら走ってくる第三走者に叫んでいる。




町田くんのあんなに必死な顔、初めて見た。


少し怖くて、痺れて。

心臓に手を当てると、鼓動が速いのがわかった。




町田くんにバトンが渡るまであと1人。