溶けろよ、心


「それはわかるよ。
町田くんも、わかってると思う」


るいはいつになく冷静で、優しく言った。


「そうかな?」


「志賀くんには恋愛感情もうないんだよね?」


るいは私の目をじっと見つめて確認した。


「うん」


私が即答すると、るいはスっと立ち上がって笑った。



「じゃあ大丈夫だね。
真由が自分の気持ちに気づければさ」



自分の気持ち……?



「ねえ、どういう……」


「そろそろ行くね!出番だから。
ダンスは見ててよ〜!」


「えっ、ちょっと」


るいは走り去ってしまった。



町田くんもるいも、何か大事なことを言わない。

私が考えなくちゃいけないんだ。




自分の気持ちを考える。


晴斗とのことは解決したはずなのに、胸のあたりがモヤモヤした。