溶けろよ、心


Answerを乗せた車が出発すると、周りにいたファンは散り散りに去っていく。


気がつけば、ここに居るのは私と町田くんだけになっていた。


2人で、何も話さず突っ立っているだけの私たちは、周りからどう見えているだろう。


私たちは、晴斗からどう見えただろう。

本当にただ、迷惑をかけただけだったのかな。


私にとって晴斗はかけがえのない存在で。

晴斗にとって、私はどんな存在なんだろう。



考えてもわからない答え。





もうすぐ電車の時間だ。

東京。晴斗のいる場所から出ていかなくちゃならない。



不思議と、涙は出なかった。