「なんでまたそんなところ……。お金はあるの?」 「貯めてたお小遣いがあるから」 お母さんは考え込むように腕を組んで、ため息をひとつついた。 「……そう。…好きにしなさい。ちゃんと夜は帰ってくるのよ」 お母さんは呆れたように言った。 「うん。ありがとう」 「いってらっしゃい」 お母さんはいつものように送り出してくれた。