* 先生と別れた後、私は最寄り駅にいた。 財布の中身を確認する。大丈夫、足りそうだ。 切符を買う。 先生との話で、博物館に行きたくなった。その5年生のとき以来だ。 電車に揺られていると、町田くんと電車に乗った日を思い出した。 匂いも、感触も、はっきり思い出せるくらいの思い出。 今、また町田くんに心配をかけているだろう。 メールが来ているかもしれない。 ケータイの電源を入れようか迷って、やめた。