「……あ、あたしだって……気になる……」
釣られるように口にして、
「……本当にか?」
と、聞き返された。
こくりと頷くと、
「……俺もだ、バカ」
と、耳元に口を付けられた。
「……バ、バカって何よ…」
耳が真っ赤になりそうにもなって、手で押さえようとするのを、
「……隠すなよ」
耳のそばに口を寄せたままで、
「……可愛いから」
なんて囁かれて、一気にボッと顔が赤くなったのがわかった。
「……あいつと、キスとか…したのか?」
「…し、してないし…」
左右に振る頭が片手で捕まえられて、
「……だったら、俺とキスしろよ」
「……んっ」
ぎこちなく唇が重なり合う。
熱くて、それでいてしっとりと柔らかな感触が伝わる。


