唇が近づいてきて、キスされるんだと感じる。 もう雅和さんとはデートも回数こなして、今日は初めての泊まりなんだし、キスぐらい普通だよね……。 そう思って、一瞬目を閉じかけて、 だけど、次の瞬間顔をそむけていた。 「…なんで?」 尋ねられて、 「……ごめんなさい」 もう一度、謝る。 「……だから、なんで謝るの? ……俺とじゃ嫌とか?」 黙って首を横に振る。 自分でも、どうして避けたくなったのかがわからなかった。