「駆け付けるのが遅れました。すみません」

「私共も遅くなり申し訳ございません」

 跪き首を垂れるフィン。それを呆けた顔で眺めていると、ユアンまでもが片膝を着き謝罪を述べた。

「それで? この後はどうするんだ? エレアノーラ」

「ヴィンス様、エレアノーラ様は……」

「黙れ」

「申し訳ありません」

 私の身を案じてくれたのだろう。そんなユアンの言葉を遮るヴィンセント様の声は極点の氷のようだった。