「王子は本当に来るのよね?」

「ええ。王子の護衛とは話を付けてあります。同期なので、あっさり頷いてくれました。そうじゃなくても、いつも酒場に入り浸っているようですが」

「王子は本当に協力者じゃないのよね?」

「残念ながら」

「なのに、どうして酒場に来るのかしら。城のことや政に関しての情報は際限なく流すのに此方側には落ちない。楽しんでいる……?」

「そういうことかと。十六番目の末皇子ともなれば王位継承権は無いも同然。どういう意図かはユアンも計りかねているようですが、元々そういう嗜好のようですし」

「楽しいモノ好きのバカ王子、を演じている頭のキレる男。私には荷が重いわね」

「レイニー様と似てらっしゃいますね」

「え?」