「もう……こんな時間に誰……レイニー!?」

「おねぇちゃーん!」

「いや、そっちのレイニーじゃなくて! なんで此処にレイニーが、ってややこしいな!」

 一人で騒いでいるロビンのもとへ、エレアノーラ嬢が駆け出す。すぐさま抱き付いた彼女に目を瞠ったロビンは、大人しく背に腕を回していた。

「ロビンも無事でよかった……」

「それはコッチの台詞だよ。お帰り」

「ただいま帰りましたわ……髪が伸びたわね」

「綺麗でしょ?」

「えぇ、とても」

 美女二人が抱きあう様は中々絵になる。俺が目を細めていると、ヴェーン侯爵様が立ち上がっていた。