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「フィン、用意はいい?」

「勿論」

 あれから三年の月日が経った。一週間を費やし、彼から聞いたことを自分なりに纏め、出した結論は、この国を壊すこと。

 私のように何も知らず死んでいく運命を辿るだなんて許せないと思った。国を壊し、王族に罪を認めさせ、そして新しい国を作る。

 その際には矢面に立つ人間が必要だ。通常ならレジスタンスのリーダーだろう。けれど、ただの民にそれが出来るだろうか。

 私には無理に思えた。ならばフィンなら? 答えは否だ。彼はただの護衛であって政には向かない。

 私はどうだろう? と考え、すぐさま掻き消す。簡単なことだ。女の私に何ができる。危険に身を晒して得るモノが少なすぎる。裏で暗躍するくらいが、お似合いだろう。