「冗談だよ。気持ちは本気だけど」

「それどっち!? やるの!? やらないの!?」

「やっていいなら喜んで」

「喜ぶなよ!」

「え? やってほしいの?」

「もうやめて!?」

 怒涛のツッコみにも怯まず、淡々と答えるロビンの表情は涼し気だ。

 十年もの間に女性らしくなった彼女は、看板娘として酒場で給仕をしている。そんなロビン目当てに店を訪れる客も珍しくはない。

 俺はといえば、彼女の虫よけをしながらバーのマスターをしている。今では俺の手も、すっかり皸だらけだ。