「知る……?」

「ええ、例えばテーブルマナーを貴女はどう思ってらっしゃるの?」

「どうって……」

「面倒臭いと思ってるんじゃなくて?」

「ええ……」

「貴女の言うことは何も間違ってなんかいないのよ。テーブルマナーは面倒臭いものよ」

 彼女が何を言いたいのか分からない。ビスクドールのように動かない表情からは何も読み取れなかった。