「お前はどう思う?」

「なにがでしょう?」

「ヴェーン侯爵は、本当は誰の味方だったんだろうか?」

「僕には分かりかねます。〝結果〟彼は我々の味方だった。それではいけませんか?」

 彼が徐に瞼を閉じる。表情をなくした顔に僕は総毛立った。

「王と対峙したあの時を覚えているか?」

「それはもう……鮮明に……」

「あの時、王は……父上は一言も喋らなかった。全て侯爵に任せ……いや、あれは本当に任せていたんだろうか?」

「どういう意味です?」