「そうなったのかぁ」

「お父様」

「いい恰好だねぇ、レイニー。さて腹心に裏切られた気分はどうだい? お父様に教えてよ?」

「最悪ですわ」

「マリーはおいで」

「ですが……」

「大丈夫。此方側へおいで」

 父の言葉に、おずおずと立ち去る彼女。玉座に腰掛けている王の横で腕を組む父は余裕綽々で反吐が出そうだった。

 彼女は、その傍らに立つと威儀を正す。本当に父の差し金だったのかと思うと気付きもしない自分に呆れた。