「私は間諜で王族側でしたが、紆余曲折あって今では旦那様にお仕えしております。
 もしも今回のレジスタンスの騒動にお嬢様が関わっていなければ救出を、そうでなければ城まで貴女をお連れするように仰せつかっております」

「マリーが間諜……?」

「ベルと一緒?」

「成る程。あの人はまだその名前を使ってらっしゃるんですね……リーダーはベルナールですか。では、お嬢様参りましょう」

 ロビンが囁く。その一言を拾った彼女は合点がいったというように抑揚なく告げた。