「私は……エレアノーラよ……」

「レイニー様の思いのままに」

「お前は嫌いよ」

「はい。存じております」

「なのに……」

 どうして、この人は私を見つけてくれたのだろう。以前の自分を捨てきれない中途半端な私を。

 未だ渦巻くフィンを毛嫌いする想い。けれど信じたい、縋ってしまいたいと思った。