「シュプギーは貴方でしょう。ユアン」

「正解です。リーリエ様」

 乾いた拍手が一つ。音のする方を見据えれば、微笑を浮かべるユアンがいた。

 私を〝リーリエ〟と呼んだことがなによりの答えである。今迄、何一つ悟らせなかった彼の手腕には感服の致す限りだ。

「嘘でしょ。ユアンが……シュプギー……」

 ベルナールの呟きを皮切りに、空気が波打つ。フィンは鋭い眼差しを放ち、ヴィンスは只管、瞠目していた。ロビンは落としそうになったグラスを持ち直している。

 私とユアンだけが視線を絡ませ憧憬に身を委ねていた。