「すみません。お嬢様は一人で身の回りの世話が出来ません。無実が証明されるまで私が傍仕えをしても構わないでしょうか?」

「お前は誰だ?」

「ヴェーン家の従僕をしております」

「勝手にしろ」

「乱暴な人達ね……」

 数多の足音に囁きが掻き消される。「お嬢様は無実ですよ」と使用人を励ますロビンの声が背中越しに響いていた。