「エレアノーラ・ヴェーン=テンペスト=ステュアート。反逆の罪で拘束させて頂きます」

 羊紙を胸元に掲げた男が衛兵を引き連れ私に罪を突き付ける。吃驚に目を瞠っていれば、フィンが私を庇うように間に割り込んだ。

「そんなものは冤罪だ」

「しかし令状が下っています」

「レイニー様は、そんなことしていない」

「これは任意ではありません。そしてフィンレイ・ミルウッド。貴方にも容疑が掛かっています。此れより、お二方を拘束後、護送致します。抵抗はなさいませんよう」

「嫌よ。そんなもの身に覚えはないわ」

「やれ」

「触らないでちょうだい! 無礼者!」

 私の抵抗などものともせず、両手に枷が付けられる。フィンも早々に取り押さえられ私は唇を噛んだ。