「ベルナールは優しい人ね」

 私の呟きに彼女の頬が染まる。目を伏せたロビンは何を考えていたのだろう。

「あの人は優し過ぎるくらいだよ……なのに、どうして恋人を殺したのか……」

「どういうことなの?」

「分かんない。ただ1年に1度ベルが酔いつぶれるまで飲むことがあるんだ。それで……俺……名前を……」

「名前?」

 林檎のように熟した顔に疑問符を浮かべる。彼女の言葉を反芻すると目が泳いでいた。