「私は……うっ……!? な、に……?」

 背を貫いた衝撃に目を瞠り、その場に崩れ落ちる。激痛と共に、どくどく波打つ身体が心地良い温もりに包まれた。

 疑問符を浮かべながら痛みの根源を探る。腹部に到達すれば固いものに当たって掌にまで痛みが走った。

 ぼやける視界に手を翳す。一筋の線からは血が流れており、自らの下半身に目を向ければ紅い液体が私を侵していた。

「な、ん……?」

 腹部には貫通した剣先が存在を主張している。頭を振る気力もない私の気道を血液が逆流した。口から噴出される赤い液体が、お気に入りのドレスを汚す。

「い……や……」