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「すっきりしたわ」

「やりすぎですよ。レイニー様」

「ホント、ビックリしたよ。悪女みたい」

「あら? 私はいつでも悪女よ。それもとっても美しい悪女」

 受験者の少年が全て屋敷からいなくなる頃。レイニー様の自室で紅茶を傾ける二人。説明も自身の口からと仰せつかっている彼女は、ロビンにも紅茶を与え鼻歌を歌っていた。

 カウチに腰掛けるレイニー様の向かいにロビンが鎮座している。紅茶の味に目を瞠った彼は夢中で嚥下していた。