「採用は貴方だけね。ロビン」

 レイニー様の声に場が騒然とする。当然だ。散々馬鹿にした人間〝のみ〟が合格という称号を得たのだから。

 今日は従僕の試験日。八人の美少年は各々得意げに課題をクリアしていた。

 しかし、その最中、妨害を受けたのがロビンだ。中流階級の彼らは庶民のロビンが許せなかったのだろう。ポッと出の彼を他の受験者は除け者にした。

 乗馬の試験では馬を興奮状態にされ、トランプでは立てたタワーを倒されていた。勿論「わざとじゃないよ」という台詞付きで。

 馬は宥められなかったものの、崩されたトランプを掻き集め、華麗なマジックを披露したロビン。ピンチをチャンスに変える手腕は、とても鮮やかで俺は感嘆を漏らした。

 だからこそ選ばれたというのに、不満を呈すあたり頭はそれほど良くないらしい。

 尤も、美しさを武器にした彼らだ。〝どちらも〟だなんて望み過ぎだということは分かっている。