「報告お願い出来るかなー? フィン」

「ああ。ガストンをはじめ、他の奴らも陥落させた。家ごと落とすのは難しいが問題はないだろ。皆レイニー様に夢中だからな」

「いいねー、いいねー。順調、順調。だけど、ちょっと順調すぎるかなぁ」

 間の抜けた声を漏らすベルナールは、モップ片手に相槌を打つ。

 朝の酒場には俺とベルナールの二人だけ。爽やかな陽光には似合わない仄暗い話も、彼が混ざるだけで幾許か明るいものに変わっているような気がした。