シャーペンを持つハルトの手は
日に焼けて大きくて男の人の手だった
ゲームを握りしめたあの頃の
小さな手を思い出す
「ん?」
ハルトが私の視線に気付いて顔をあげた
私は慌てた
「あ、ここ、わかんない、教えて!」
適当な問題を指差した
「んー‥ここは…」
ハルトが教えてくれた
その間も私は上の空だった
「わかった?」
ハルトに言われて、我に返った
「わかんない‥なんでハルトが、私を好きなのか」
そんな事を咄嗟に言ってしまった
「‥え?」
ハルトは驚いた顔をして私から目を反らした
私も自分から出た言葉に驚いた



