「あの人、かっこいいね!」

「すみませ〜ん!パフェください!」

町中にあるカフェ『オレンジ』は、最近女性客でにぎわっている。

「お待たせしました。かき氷です」

蓮が笑顔を見せると、女性の目が輝いた。

七月になり、夏休みが近づいてきた。六月の中頃から始めたバイトも、少しずつ慣れてきた。

「一緒のタイミングでバイトを始めたのに、蓮だけ女の子にモテてずるいんだけど!」

休憩時間に空がお茶を飲みながら言う。

蓮は「そんなことないよ」と苦笑した。