そんなことを話しながら二人が廊下を歩いていると、「何してるの〜?」と椿が走ってきた。

「手話で応援してたんだ〜!」

そう美桜が言うと、椿は一瞬寂しそうな顔になったがすぐ笑顔になり、「蓮!がんばってね。がんばったらアイスおごってあげる」と言った。

「本当!?」

蓮の目が輝く。

「う・そ!」

「ええ〜!ひどい!」

椿が少し意地悪な顔をすると、美桜がクスクス笑う。それを見て、蓮の口からも笑い声がもれた。



「それでは、始めてください」

先生がそう言うと、みんなが一斉にテスト用紙に答えを書き始めた。蓮もその一人だ。

時間はゆっくりと流れていく。