二人が何も言わずに見つめ合っていると、「蓮!そろそろ行かないとまずいよ」と空が言った。

空も蓮と同じ借り物競争に出る。

「うん。……行ってくる」

少し残念そうにしながら背を向ける蓮の手を、美桜は掴んだ。

「がんばって」

笑顔でそう言うと、蓮は顔を真っ赤にしながら頷いた。



パーン!と大きな音が響き、リレーが始まった。

「がんばれ!」

「蓮くん!ファイト!」

美桜と椿も、周りに負けないくらい大きな声で応援する。

この声を届けたい!美桜はそう思いながら叫ぶ。

やがて蓮は白い紙を手に持ち、紙に書かれたものを探し始めた。