「そっか……」

美桜の胸は苦しくなっていくばかりだった。その目の前で、蓮と椿は楽しそうに話し始める。

消えてしまいたい、そう何度も美桜は思ってしまった。



「それじゃあ、今から自己紹介をしてもらおうかな。名前と出身中学校と高校でがんばりたいことを一人ずつ言ってくれ」

入学式が終わり、担任の林先生がそう言うとクラスが騒がしくなった。

「緊張するね〜」

美桜の前に座っている蓮が振り向いた。

「う、うん……」

美桜の胸が高鳴る。それと同時に、苦しくなっていく。

少し遠くを見ると、椿が気づいて美桜に手を振った。ぎこちなく手を振り返すと、蓮が微笑む。