four seasons〜僕らの日々〜

花宮高校は、美桜が入学する高校だ。もしかして、さっきの男の子もーーー。

「美桜!やっと見つけた〜」

お姉ちゃんがクレープを二つ持ちながら、のんびり歩いてきた。

大変だったんだよ!と文句を言うつもりだったが、今の美桜にそんな気持ちはなかった。

「ここ、休みの日は人が多いって言うの忘れてたよ。……あれ?」

お姉ちゃんが美桜の顔を覗き込む。

「何?」

「顔、真っ赤だけど熱でもあるの?」

お姉ちゃんにそう言われ、美桜の頰はまたかあっと熱くなる。

「大丈夫だよ!ほら元気だよ!」

美桜はお姉ちゃんの手からクレープを一つ奪い、一気に食べた。

それから、頭の中はずっとあの男の子のことでいっぱいだった。



「おはよう……」

高校の制服を着て、美桜はリビングのドアを開けた。