文通は会える日まで続いた。やっと会えるようになった時、嬉しかった。

凛ちゃんが私の家に来てくれることになった。

凛ちゃんと会う当日、私は家中をきれいにして、手話を何度も練習した。

凛ちゃんとする手話での会話はとても久しぶりだ。久しぶりなんて言葉で収まらないかもしれない。それだけ手話をしていなかった時間が、長く感じた。

「凛ちゃん!久しぶり!」

二階の自分の部屋で深呼吸を繰り返していると、お母さんの嬉しそうな声が響いた。

「行こう!」

お姉ちゃんが部屋のドアを開ける。私は黙って頷いた。

どれだけ会っていなかったんだろう?最後に会ったのは中学一年の夏だったはず。

緊張しながら、階段を一段ずつ降りていく。

リビングのドアを開けた時、そこには懐かしいずっと会いたかった顔があった。

凛ちゃんは、両手の四本の指の背をくっつけて、左右に離した。

『久しぶり』

そう言って微笑む凛ちゃんを見て、私の目から涙がこぼれた。

『ごめんね、ごめんね』

何度も手話で謝った。

凛ちゃんの手が、私の手に触れる。その温もりや微笑みに、私は蓮くんを思い出した。ああ、蓮くんと凛ちゃんは似てるんだ。とても優しいんだ。

『ありがとう。大丈夫』

涙をぬぐい、私も笑った。そしてこう言った。

『髪、切った?かわいい』