同じようなことを何度も繰り返し言う。

蓮の目から迷いが少しずつ消えていく。

「……僕、美桜ちゃんとちゃんと話すよ!もう諦めない。……ありがとう」

私は黙って首を横に振る。胸の中は、嬉しさでいっぱいだった。これでやっと蓮を解放できた……。

「……あのさ、お願いがあるんだけどいい?」

「何?」

蓮が真面目な顔で、私を見つめた。

「その…これからも友達でいてください」

目の前がぼやける。ああ、人は嬉しくても泣くんだなぁと思った。

「もちろん!」

私は大きく頷く。蓮の笑顔を久しぶりに見た。



蓮、君を好きになってよかった。

望んだ結末とは違っても、蓮と過ごした日々は、楽しかった。優しい嘘であふれていて、幸せだった。

あの時、別れを告げるのは辛かった。苦しかった。

それでも、大好きな君が笑ってくれるのならーーー私は、後悔したりしない。

重苦しいあの時間も、蓮の本当の気持ちを知って苦しかったあの時のことも、今では大切な思い出の一つ。

恋は、人を変える。たとえ失恋でも、悲しい別れでも同じ。その人の何かを変える。