「美桜?ああ、蓮を連れて旧校舎に行ったよ〜」
教室の前にいた椿に美桜を呼んでほしいと翔が頼むと、こう返ってきた。
「そうか……」
翔は黙ってうつむく。椿も同じようにうつむいた。まるで、この重苦しい時間が永遠のように翔は感じた。
「椿!ちょっとこっち来て〜!」
教室の中からクラスメートが椿を呼ぶ。椿は顔を上げ、「じゃあ、ちょっと行くね」と翔に言い背を向けた。
「待てっ!!」
翔は椿の腕を掴み、自分の方へ向かせた。
「……チョコ、ありがとう……」
目を見てそう言うと、椿は笑った。
「自信作なの!ちゃんと食べてね!」
「もちろんだ」
そう言い椿を離すと、旧校舎へと足早に翔は向かう。二人はもうお互いに想いを伝えているかもしれない。そう思うと、いつも以上に足が速くなる気がした。
旧校舎へと入ると、蓮と会った。気まずい空気が漂う。蓮は目をそらした。
蓮の手には、空と同じクッキーがあった。
「……美桜は?」
翔が訊ねると、蓮は目をそらしたまま、「音楽室にいるよ」と答えた。
「何かあったのか?特別なことが…」
緊張しながら訊ねると、蓮は残念そうな目をしながら、首を横に振る。
翔は少し安心して、音楽室へと向かった。
教室の前にいた椿に美桜を呼んでほしいと翔が頼むと、こう返ってきた。
「そうか……」
翔は黙ってうつむく。椿も同じようにうつむいた。まるで、この重苦しい時間が永遠のように翔は感じた。
「椿!ちょっとこっち来て〜!」
教室の中からクラスメートが椿を呼ぶ。椿は顔を上げ、「じゃあ、ちょっと行くね」と翔に言い背を向けた。
「待てっ!!」
翔は椿の腕を掴み、自分の方へ向かせた。
「……チョコ、ありがとう……」
目を見てそう言うと、椿は笑った。
「自信作なの!ちゃんと食べてね!」
「もちろんだ」
そう言い椿を離すと、旧校舎へと足早に翔は向かう。二人はもうお互いに想いを伝えているかもしれない。そう思うと、いつも以上に足が速くなる気がした。
旧校舎へと入ると、蓮と会った。気まずい空気が漂う。蓮は目をそらした。
蓮の手には、空と同じクッキーがあった。
「……美桜は?」
翔が訊ねると、蓮は目をそらしたまま、「音楽室にいるよ」と答えた。
「何かあったのか?特別なことが…」
緊張しながら訊ねると、蓮は残念そうな目をしながら、首を横に振る。
翔は少し安心して、音楽室へと向かった。


