four seasons〜僕らの日々〜

「……私から一度蓮に話してみる。こんな悲しい関係で何もかも終わらせたくないし、歌わない蓮なんて蓮じゃない」

椿は翔に頭を下げた。

「……叩いたりして、ごめんなさい」

「これからどうなるか、見ものだな」

翔はそう言って音楽室を出た。



誰もが待ちこがれていた冬休みが始まった。翔は毎年夏休みが始まろうが、冬休みが始まろうが、何かイベントがあろうが何も感じなかった。しかし、今年は違う。

冷たい風が吹き、翔は巻いているマフラーにそっと触れる。

風は冷たいが、翔は何も気にしていない。待ちに待った美桜と出かける日だからだ。

十二月二十五日、クリスマス。街中に飾られた大きなクリスマスツリーの下で翔は10分ほど前から美桜を待っている。

街にはカップルがあふれ、どの顔も嬉しそうだ。

「翔くん!おはよう!」

翔の耳にずっと聞いていたい声が届く。振り向くと美桜が走ってきた。

「ごめん、待たせちゃった?」

そう顔を赤くしながら言う美桜に、翔は首を横に振った。

美桜の私服を見るのは久しぶりだ。茶色のコートを着て、淡いピンク色のマフラーを巻いている。翔の胸が高鳴る。