four seasons〜僕らの日々〜

「……何だ?」

不機嫌な態度を隠すことなく、翔は相手に向ける。話しかけてきたのは、蓮だ。

「……美桜ちゃんと出かけるって本当?」

蓮が不安げな表情で訊ねる。翔は嗤った。

「本当だ。美桜と出かける」

蓮は驚いたような表情を見せた。翔は椅子から立ち上がり、蓮をまっすぐ見つめる。

「なぜ驚く必要があるのか理解できない。お前は美桜ともう関わらないんだろ?だったら俺が美桜と付き合おうが、お前には関係ないんじゃないか?」

「……付き合ってるの?」

「まだ付き合ってはいない。でも、俺はそうありたいと望んでいる」

蓮は少し安心したような顔をした。翔の苛立ちが募る。

「お前は言っていることとやっていることが矛盾している!!美桜が好きならなぜ『関わらない』と宣言した?美桜をこれ以上傷つけるのなら、俺は容赦しない」

翔が蓮を睨みつけそう言うと、蓮は驚いた顔で翔を見つめた。翔は蓮に背を向け、図書室を出た。

美桜を見ていると、翔は自分が想っていていいのか悩んでしまうことがあった。美桜は強く蓮を想っている。蓮も強く美桜を想っていて、そこに勝ち目などない。そうずっと思っていた。

「……もう、迷わない」

ポツリと呟く。

傷つく美桜を見るくらいなら、自分が幸せにしたいーーー。そう強く思った。翔の中に迷いが消えた。



冬休みが近づき、クラスはパーティーのことでさらに盛り上がっている。

翔は美桜と遊びに行くことに浮かれていた。日にちを数え、嬉しさを必死に隠している。