「よかったよ〜!」

演劇部の人が、次々に椿と蓮に声をかけた。

「ありがとうございます」

蓮が安心したように笑う。その笑顔を見ても椿はもう迷わなかった。

「蓮!すごくよかったよ!お疲れ様。代役してくれて、本当にありがとう」

椿が笑顔でそう言うと、「ありがとう」と蓮も笑ってくれた。

「あとで話があるの。……屋上に来て」

「……わかった」

椿は「ありがとう」と呟いた。

もう迷わない…。椿は制服に素早く着替え、屋上へと向かった。



放課後の屋上に冷たい風が吹く。

椿が屋上に行くとすぐに蓮が来た。

「今日は本当にありがとう」

椿はありったけの笑顔を蓮に向ける。

「あ、ありがと……」

蓮は少し戸惑った表情を見せた。

「その……話って?」

蓮が椿をまっすぐ見つめる。椿はためらわずに言った。

「私たち、別れよう」

「えっ……」

蓮は驚いた顔を見せる。しかし、椿は言葉を続けた。