「椿ちゃんは、何か欲しいものとかある?」
「蓮が取ってくれるものなら、何でもいいよ〜」
世の中のカップルのようなことを訊ねても、蓮の心に響くものはない。
蓮と椿は射的の店に寄った。蓮の目の前にはたくさんのおもちゃやお菓子。
「がんばってね〜」
おじさんから射的銃をもらい、蓮はゆっくりと構える。
引き金を引こうとした刹那、蓮の耳に甘く優しい声が聞こえた。
「椿ちゃん!」
「美桜!うわ〜浴衣似合ってるよ!」
椿の言葉に蓮は顔を上げ、お面を外す。目の前に、ずっと隣を一緒に歩きたいと思っていた人がいる。
「蓮くん、こんばんは」
美桜が優しく微笑む。
「こ、こんばんは……」
蓮は胸の鼓動を感じながら、小さな声で言った。顔が熱い。


