重く暗い気持ちで、蓮は椿との待ち合わせ場所に向かった。
花火大会の日はあっという間に来た。毎年楽しみにしていたはずなのに、今年は憂鬱で逃げ出したくなる。
蓮の頭の中で、去年の花火大会の思い出が浮かぶ。去年は椿と空と一緒に楽しく遊んだ。金魚すくいをしたり、焼きそばやたこ焼きを食べたり、夜空を彩る花火はきれいで時が止まってほしいと思うほど楽しかった。
美桜に行けないことを伝えた時、消えてしまいたくなった。しかし、美桜の返信は『なら、しょうがないね。楽しんで来てね!』だった。カフェで行けないことを謝った時も優しく微笑んでくれた。
「……ごめん」
口から自然とこぼれていく。
蓮は思った。自分はこの先も嘘をつき続けるのだろうか?好きな人に想いを告げることなく、この気持ちを殺してしまうのだろうか?
未来のことを考えていくと怖くて足が止まった。


