真山「...奇遇だな。」

昴「は?」

真山「俺も同じ事を言おうと思ってた。
お節介なくせしてひねくれてるし
その上、自分の思い通りに
ならないと逆ギレする。
本当にお前は厄介な奴だった。
お前と同じ施設出身ってだけで
目付けられるし、昔の俺は割と
平穏な日々を望んでた口だから
何度も俺はお前の事を嫌いになった。
あいつがいるせいで俺はお前と
同じ風に見られるんだって
数え切れないくらい憎んだよ。」

昴「でも、てめぇは1度だって俺の元を
離れなかっただろ?
いじめられてたあの頃も
クソ野郎とつるんでたあの頃も
いつだって、お前は俺のそばにいた。」

いつかの昴の言葉を思い出した。
あの頃と何も変わらない。
昴は本当に成長しない。

ウザったくて暑苦しくて
真っ直ぐにぶつかってくる。

真山「どんな人生を歩んだって構わない。
お前が信じたいと思った人間を
とことん信じればいい。
でも、お前がどんな厄介事に
巻き込まれたとしてもSOSを
出すのなら、俺はいつだって助ける。
だから、真山。悲観的になるな。」

昴「...お前...それ...。」

真山「小学校の卒業式だったか。
お前が俺にそう言ったんだ。
...だから、俺は自由にやれた。
その時、自分が正しいと思う道を
選ぶ事が出来た。例え、それが
間違っていたとしてもお前はいつも
その言葉通り、俺を助けてくれた。
...だから、感謝してる。
お前には数え切れないほどの感謝が
あるからよ、お前のその仲間を想う気持ち
俺にも少し分けてくれないか?」

昴「分けれる訳ねぇだろ。
てめぇは俺よりも仲間想いじゃねぇか。」

珀斗「思い出話もいいけどさ
そろそろ会場行かないと
まずいと思うよ?」

顔をあげればそこにいる。
昴とその昴に感化された厄介な
俺の仲間が俺を見て微笑んでくれる。